トラブル対応

ゴールデンウイーク前日にドタ退職発生

         
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決戦は連休前日

私が経営する子連れファミリー専門のホテル&グランピング「マツモトサトヤマドアーズ」で大事件が発生。

みなさん!あの料理長がゴールデンウイーク前日にドタ退職いたしました。

あの料理長?と思われる方は過去の記事を読んでいただくと「お~」とわかっていただけるかと思いますが、ひと言で表現すると「無双のラスボス」。

裏で散々悪口を言い、在庫管理、安全衛生管理、時間管理、部下育成において全く社長指示を聞かない無敵でした。

この人にしかできない作業「自家製クロワッサンの仕込み」があったため目をつむり続けたこの約2年半でしたが、ついにその闘いに幕が降りました。

しかも翌日から大型連休突入という年間最大級の繁忙日直前に直接対決を迎えました。

何が起きたのか

現在64歳で私の会社で正社員として働いている料理長は、65歳に到達する3か月以上前に退職して失業手当を満額もらいたいという要望は以前からお聞きしていました。

有給消化などを加味するとおそらくこの5月20日頃までの出勤になるであろうという日付を決めるやり取りを私と料理長でしていました。

その中で、退職してからもクロワッサンだけ作りに来ますよとか、忙しい夜の時間帯のお手伝いに来ますよ、パン教室を開催したいなど申し出て下さったのですが、これまでの働く姿勢を見ていて、正直な話がもう来てほしくないわけなのです。

こういう時の返答って迷いますよね。

適当にお茶を濁して「困った時はまたぜひ力を貸してくださいね」とか言えばよかったのかもしれませんが、もうこの先はありませんので「ご存じのとおり食事をグルテンフリー(小麦不使用)に切り替えるので小麦粉を館内に設置しません。
小麦粉のパン教室は開催できなくなりますし、クロワッサンもやめて米粉パンに切り替えていく方針です。
これまで多大な貢献をしていただき感謝しています。

一方で、これまで私が散々お願いした安全衛生管理、部下のパートさんへの接し方、時間管理など、重たい課題について解決を一緒にできなかったことも頭が痛いです。
よって残りの勤務日は厨房を明け渡す準備をしていただけたらと思います。
残っている小麦粉の在庫は差し上げますのでご自宅でのパン教室に必要でしたらお使いください。」と思い切って伝えました。

繁忙期に退職カードを切ってくる

すると「小麦粉の在庫は捨ててください。この際だから言わせてもらいますが次の体制(誰が厨房責任者をやるのか)がどうなるか全く教えてもらえず、これでは引継ぎもできないでとても心配でした。
衛生安全の問題もそれは社長の勘違いで私はちゃんとやっていました。
明日荷物だけは取りに行かせてもらいますが、もう出勤しないことにさせてもらいますが構わないでしょうか」という回答でした。

私の中には迷いはありませんでした。
「引継ぎがご心配とのことでしたが、パートさんが全てできるのでご心配は結構です。明日からご出勤されないという旨、承知いたしました。」ということで話しが終わり、翌日私たちの目前で荷物をまとめ、グシャグシャの仕入伝票を放置、埃だらけのロッカーを拭かずに去っていきました。

こから得られる教訓は大きく3つ

①採用は慎重に
  紹介や縁故採用であっても、当社では現在は最初1か月の雇用契約しか結ばないルールにしました。
1か月間一緒に働いてお互いにこの先もやっていけそうなら次の3か月や半年の契約を結びます。
料理長は立ち上げメンバーでしたのでこのルールが適用されていませんでした。

 ②誰でもできる化
実は料理長に辞めてもらいたい議論は1年前にも幹部では出ていましたが、支配人(店長)が「厨房まで手薄になって自分が見るのはムリなので目をつむってください」と懇願された経緯があり断念しました。
辞めてもらいたくても実務的に困るので辞めさせられないということは多々ありますよね。
これは一緒に働いている真っ当な人たちの心を蝕んでいきます。
辞めてほしくない人たちが先に辞めていっていたら…と考えると、今回私は勇気が出せませんでした。

 ③評価基準ははっきりと
 料理長は「頑張ってきたのにこんな辞めさせられ方で頭にくる」と辞めた後にいろんな人に連絡をしていたことが私たちの耳に入ってきています。

本人としては「何が悪いわけ?」と思っておられるのですが「自分軸」で自己評価をされているということ。
これまでも「僕は頑張っていて、他の人は僕より仕事ができないのに社長は僕を認めない(ので労基署に不服を申し出る)」など面白発言(!)をする人が過去にいました。

こういうことが発生するのはやはり社長の私の責任なのです。
会社の評価基準がない職場は「自分軸評価」をそれぞれがするのでキャリアが長い人がボス化しやすいですね。

これは危険です。

現在は、厨房パートさんがイキイキと笑顔で働いてくれています。泣きながら1年間耐えてくれたことに感謝の意を伝えました。
当社の厨房は次のステージに進みます。また来月続報をお伝えしますね。