私が経営する「~子どもとワンちゃんのためのグランピング~マツモトサトヤマドアーズ」の厨房部門はほぼ通年で残業が発生。
その原因は大まかに2つ。
■1つ目「パートYさんの調理失敗で再作成を繰り返すムダな時間が月間約8時間」
■2つ目「料理長がお気に入りの野菜直売所とスーパーに直接に買いに行く仕入時間が月間30時間」
あわせて月間40時間程度は私から見ればなんとか減らして欲しい人時です。金額換算すると月に45,000円、1年で540,000円相当。
カフェオープンして忙しかった昨秋冬春は残業連日発生、その後春から一人増員してカフェを休みにしてこの夏のピークシーズンは残業発生。
結局、開業してからのこの1年間何も解決しないままです。
「残業しないでください」と社長の私が言ったところで料理長に逆ギレされるだけなのでさてどうするかと。
残業発生のメカニズムを把握するため、超繁忙期2週間は毎日私も朝5:00から厨房応援に入り厨房スタッフ2人と一緒に働いてみたところ、原因を発見できた!
原因がわかれば打ち手が見えてくるのでやっぱり原因追及は欠かせませんね。
今回もその改善活動を続けているのでその続報です。
原因の1つ目「パートさんの調理失敗」
厨房パートのYさんは週2時間、月間約8時間は調理を失敗して作り直し。いったい何を失敗しているか見るとデザートの「杏仁豆腐」が固まらないという。
料理長の大雑把な指導もあり、量の計算の複雑さもあり、しかもこれは今でも続いているという衝撃の事実。
そこで私からはメニュー変更を持ちかけました。
残業の元である杏仁豆腐を作ることそのものをやめてもらおうと。
ちょうど秋冬メニューに切り替える時期なので料理長や支配人も含めて検討したところ「自家製ホットスイートポテト」に決まりました。
試作しながら様子を見守ろうと思います。
原因の2つ目「料理長の仕入」
品質がよくて安いスーパーに買い出しに毎日でかける料理長。
数えると毎日1.5時間、月間30時間は仕入れの時間に投入。
その仕入時間をゼロにすべく、最も使用頻度の高い乳製品、野菜(玉ねぎ・じゃがいも)、信州産りんごジュースを順次、製造者からの直接仕入れに切り替え配送を手配。
その結果、やっぱりちょこちょこ買い足しにそのスーパーに出かけるのですが、出かける回数が減りました。
ただ夏休み期間と比べて満室日が減り、夕食仕込み量が減ったので比例して残業が減っただけで、この後10月からカフェが再開するとおそらくまた残業発生は目に見えています。仕入時間ゼロを引き続き追求していきます。
原因の3つ目「時間の使い方」
厨房スタッフの時間の使い方パターンを見ていると、とくに午後からの時間の使い方が気になります。
12:30~13:00は昼食休憩、15:00~15:30はお茶休憩。休憩は60分取っていただかないといけないのでこれで良いのですが、カフェ営業(11:00~13:00)を再開すると昼休憩が13:30~14:00にずれ込みます。
宿泊客のチェックインが14:00には始まるので今度はお茶休憩が取れなくなります。宿泊のチェックアウトを10:00→9:00に前倒し、チェックインを14:00→15:00に後ろ倒しできるか支配人と話をしてみようと思います。
ただ宿泊時間の変更をしたからといって厨房メンバーの残業時間ゼロにつながるわけではなさそうですね。
原因の4つ目「意識」
残業はしないでください!と社長の私が言っても反感を買うだけで大して解決しないのですが、残業したくないプライベートの大切な用事が料理長に発生しました。
これが残業解消に最も効果が出るのではないかと私は密かに思っているのですが(笑)。料理のレシピを可視化して、他の人でも調理できる体制にしながら、料理長には放課後に別にもっと楽しい用事を入れていただく。あと1年で定年退職ですから、定年後の別途楽しいお仕事(馬のお世話やパン教室など)の比重を増やしていく1年にしていこうと思います。
人の動きを変えることは難しい
結果としてこの2か月でどれくらい残業時間に変化が出たかは9月末の勤怠締めを待って検証したいと思いますが、最強の治療法は「残業したくないもっと楽しい用事」かもしれません。
メニューを変えたり、仕入方法を変えたり、と物理的に時間を奪う要因を減らしたのでそれも貢献しているとは思いますが、結局は意識の問題なのでしょうか・・・。私は精神論を振りかざすのが嫌いなのですが、お子さんを保育園にお迎えに行く必要がある人であれば、どうすれば残業せずに仕事を完了できる必死に考えてくれるはずです。「残業している場合ではない」と自分でそういう気持ちを持っていただかない限りは解決に至らないのかなあというのがなんとなく私が現段階で得た結論です。引き続き「残業しないために何ができるか」というテーマで厨房スタッフに「残業しない」という習慣を定着させるべくしつこく取り組んでみます。