経営者と現場の考え、きちんと共有できていますか。
皆さんこんにちは。誰でもできる化コンサルタントの赤沼 留美子です。
本日は私の経営するホテルでの出来事を通じて、パート・アルバイトを採用する経営者に向けた業務改善とコミュニケーションの重要性についてお話しします。
食洗機から学ぶ業務改善ポイント
私のホテルでは、朝食後にパートの矢口さんが食器を一生懸命洗ってくれています。先日その光景を私が見ていると、彼女は食器を一度綺麗に洗ってから食洗機に入れていました。これは「予洗い」だと私は思っていたのですが、よくよく見てみると本気でピカピカに洗ってから食洗機に入れていたのです。
本来の機能が十分に活用できていない食洗機
ホテルの食洗機には「洗う」機能と「すすぐ」機能の両方がついています。両方の機能を使えば、わずか2、3分で大量の食器が熱々で洗いあがり、乾いた状態で仕上がります。しかし、これまでの使い方は、すすぎモードしか使っておらず、食洗機の本来の能力を十分に活用できていませんでした。
矢口さんに「どうしてしっかり洗ってから食洗機に入れているのですか?」と尋ねると、「前からこうしてたんです」との答えが返ってきました。以前勤務していた総支配人が、食洗機専用洗剤やお湯の節約を目的として、予洗いを指導していたとのことでした。しかし、この方法では2分で完了できる作業なのに5倍の時間の10分もかかってしまいます。
業務改善の理解と解釈の違い
私たちの会社では「改善をしよう」という言葉がよく使われます。ですが、その意味が人によって異なることが問題でした。今のご時世、男女で分けるのは適切ではないのかもしれませんが、実例としてご紹介させてください。
「改善」という言葉を聞いた男性の総支配人や銀行出身の若い男性スタッフは「改善=無駄の削減」と捉えることが多い傾向にあります。そして、女性スタッフは「改善=バリューアップ」、つまり価値を高めることと理解している傾向が高いことに気が付きました。この解釈の違いが我が社では多々あり、喧嘩の元になることが多かったのです。同じ「改善」でも、捉え方が真逆だったため、しばしば意見が衝突していました。
つまり、どういう意味で「改善」しようとしているのかをトップである人間はしっかり伝えていかなければいけないのです。
誰でもできる化の実践
誰でもできる化を進めるためには、明確で共通の認識を持つことが重要です。業務改善の意味もトップである経営者がしっかり説明することで統一し、具体的な手順を明示することで初めて効率的な作業が可能になります。
具体的な一例として、私たちのホテルでも食洗機の使い方を見直し、洗うモードとすすぎモードを併用することで、作業効率が大幅に向上しました。
業務改善とコミュニケーションの重要性のまとめ
今回は、食洗機の使い方を見直すことで得た業務改善の気づきを共有しました。また、パート・アルバイトを採用する経営者にとって、業務の効率化と認識共有のためのコミュニケーションは非常に重要です。業務改善の目的を共有し具体的な手順を示すことで、誰でもできる化を実現し、生産性を向上させることができます。
今回は我が社の少し恥ずかしいエピソードをお話しましたが、お役に立てることもあるかと思いますので今後も共有していきますね。それではまた。